危険物物流を業界初の全国可視化|化学品15社のデータ連携が示す「競争から協働へ」の共同物流

兵庫で配送するならアスファレス。株式会社アスファレス代表の荒川です。
今回は、三井化学をはじめとする化学品業界が、業界で初めて全国の危険物物流の動態を可視化したというニュースについてお伝えします。荷主15社が物流データを持ち寄り、業界全体の課題を「見える化」して共同物流へと動き出すこの取り組みは、専門性が高く難しい危険物物流の未来を大きく変える可能性を持っています。
結論からお伝えすると、競合する荷主同士がデータを持ち寄って初めて見えてくる「輸送の偏り」や「配送の重複」を解消することが、危険物物流の安定化への第一歩になります。
今回の取り組みの概要
三井化学は2026年6月29日、経済産業省と国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内の化学品ワーキンググループ(WG)が、化学品業界で初めて全国の危険物物流動態を可視化したと発表しました。
荷主15社の危険物の物流実績データを集約・分析し、西日本から中京・東日本への輸送偏在や、複数荷主による配送重複といった業界構造上の課題を明らかにしました。これを受け、荷主と物流事業者が一体となり、危険物輸送の長期安定化に向けた施策検討を開始しています。
可視化で明らかになった課題
「危険物物流」ならではの難しさ
危険物の輸送・荷扱いには、専門知識や豊富な経験が求められます。取り扱いを誤れば重大な事故につながるため、誰でも運べるわけではありません。一方で、ドライバー不足など物流環境の変化への対応は、個社単位では限界があり、業界全体での取り組みが求められていました。
専門性が高いからこそ、業界全体で支える必要がある
危険物は専門知識を持つ限られたドライバーしか運べません。だからこそ、限られた輸送力を業界全体で効率的に使うことが重要です。競合同士でも、危険物を安全に届けるという社会的使命の前では、協力すべき部分があるのです。
「フィジカルインターネット」という考え方
今回の取り組みは、「フィジカルインターネット」という大きな構想の一部です。これは、インターネットが情報を効率的に運ぶように、物流網を共有・標準化して荷物を効率的に運ぶという考え方です。競合の垣根を越えて物流インフラを共有することで、社会全体の輸送効率を高めます。
- 個社ごとに分断されていた物流を、業界全体で共有・最適化する
- 標準パレットの活用・納品リードタイムの見直しなど、標準化を進める
- 共同集配・共同保管・中継拠点の活用で、輸送力を無駄なく使う
軽貨物の現場にとっての意味
危険物物流という専門分野の話ですが、その根底にある「データを共有して無駄をなくす」「競合と協働する」という発想は、物流業界全体に共通する重要なテーマです。輸送の偏りや配送の重複をなくすという課題は、規模や分野を問わず、あらゆる配送に当てはまります。
「見える化」してはじめて、無駄は解消できる
自分たちの配送だけを見ていては、業界全体の無駄は見えません。データを持ち寄って全体を可視化することで、初めて「ここに無駄がある」「ここは協力できる」が見えてきます。この発想は、地域の配送事業者同士の連携にも応用できる、これからの物流の重要な視点です。
まとめ|データの可視化が、危険物物流の共同化を前進させる
- 化学品業界のWGが、荷主15社のデータを集約し業界初の全国危険物物流動態の可視化を実現
- 西日本から東日本への輸送偏在や、複数荷主による配送重複という業界構造の課題が明らかに
- 東北・九州・関西を優先対象に、28社が連携して共同集配・共同保管・中継拠点活用を設計・検証
- 「データを可視化して無駄をなくす」「競合と協働する」発想は、規模や分野を問わず物流全体に通じる
株式会社アスファレスは、兵庫から「最後を任される会社」として、業界全体で効率化を進める大きな流れを見据えながら、地域に根ざした確実な配送を担い続けます。データと連携で物流全体が進化する中で、その最後の一手を丁寧につなぐことが私たちの使命です。
株式会社アスファレス 代表取締役 荒川祐太
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